問題解決に求められる思考力

多面的な捉え方で医療業界の問題を考える

医療格差問題を考える

医療格差には、経済的に裕福なほど高度医療を受診することができるという経済格差がふくまれている。
地域間格差と経済格差、それは現在の日本の医療サービスを端的に表している。
高齢化に伴い、地域の個人クリニックの医師も高齢化していき、医療従事者が減少していくという現状もあり、IT技術を駆使した遠隔治療や地域間で対策を講じる地域包括サービスの導入が進められている。
救急医療や産婦人科、外科などの緊急を要し時間を問わない診察を廃止してしまうこともあり、救急車でも受け入れ先を確保できないという実態が生じているほど、医療格差が厳しいものになっている。
住み慣れた土地で医療サービスを受けられないことから、病院で亡くなるという状態が多くなり、お見舞いや看病もままならないという状態になっているのである。
個人の所得や住環境により、医療サービスの質に差が生じてしまうことは避けなければならない問題であり、日本だけでなく世界中で問題となっている。
徐々に官民連携の取り組みも実施されているが、対策を急がなければならない問題としてそれぞれが意識しておくべき問題である。


医療格差の問題は、何も医療サービスを受ける側だけに限られたことではない。
病院も利益を追求していることから、人口の多い場所に大病院が設置され、最先端の医療設備が用意される。
若手の医師も様々な症例を体験することでスキルアップをすることができるため大病院での勤務を希望し、体力のあるうちにハードな職場に身を置いて技術を身につけようとしているのだ。
そのため過疎地域には病院が少なく、医師不足が生じるという悪循環が生まれ、結果として地域による医療格差を広げる結果となっていまうのである。
医療に従事する側の人間として、医療格差の問題は実に身近な問題である。
早急な対策が必要なこの問題について、一度さまざまな面から、医療格差の実情について考えてみる必要がある。
他にも、医療格差の実情について言及しているHP(医療業界の格差事情:http://iryogyokai-kakusa.com)があるので、併せて読んでおくとより深い情報を得ることができるだろう。